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Seeds And Ground

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出雲

日本の民俗フェチと言える自身の性癖(?)を汲んでもらって、年に一度は必ず、しかも彼の地の「神在月」に招聘してもらっている、島根県は松江市のクラブNaked Space。宍道湖を臨む古風な佇まいの街に似つかわしくないとも思える深夜の牙城が、違和感無く街に溶け込んでいるのは、何かとてつもない暖かさにこのクラブが包まれているからじゃないだろうか。日本のクラブ黎明期に東京でDJキャリアを積んでいたオーナーの奥井淳くん。DJを辞め世界を旅した後、生まれ育った故郷の出雲へ戻ってその情熱をNaked Spaceに結実した。彼の人柄が箱を熟成させているのだろう。雲出づる国、水の都、神話上の地、そんな神秘の庭に… Read More

舞楽

取材を終え、渋谷の喧噪を抜けて一路、乃木神社へ。管絃祭と題された雅楽演奏会が開催されている。実は毎年10月末に皇居にて行われる秋季雅楽演奏会に参加申し込みをしていたのだが、今年は「天皇陛下ご即位20年という慶事」にあたるため申込者多数であったようで、抽選に漏れてしまったため、詳しい方に他所でやっている演奏会について教えて頂いた末、辿り着いた。国家神道の残り香に触れながら、雅楽の奉納演奏に聞き入っていると、平衡感覚というか、時空の認識力があやうくなってくる。笙による高周波の持続音、リズムがないのにシンクロする打点と演奏、舞い。神前に居るという微かな緊張感。大陸由来で日本の古典音楽だが、明らかに「… Read More

町蔵

この前はプログレッシヴ・トランスに先走り興奮してか、なんやかんや御託を書いたが、やっぱコレですかね。 なまぬるい日常のしぶとい根源お前は決して逃げない小さな愛とウィスキイが少しだけ欲しいなら俺の家に来い… INU「メシ喰うな」所収「305」より抜粋 高校時代に大ファンだったINU、町田町藏(現:町田康)10代の頃の歌詩。全体はもっと辛辣だが、一瞬覗かせるギリギリの愛、このライン最高に響く。 抽象化されたメッセージに言葉の創造性が加わる時、詩は響いてくる。さらにリズム、歌、だから歌詩って本来かなり高次の表現活動ですね。 そう言えば今までで一度だけ、リキッド・ルーム新宿時代の名物イベ… Read More

追想

スピードが命とも思われるブログに一週間前の出来事に想いを巡らすのもどうかと思いますが… 偶数月の第一土曜日(金曜日もイレギュラーであり)はAIRでのgroundrhythm。先日AIRの8周年だったので、そのオープン年から続けているこちらも8歳になる。いろいろと大変な時期もあったが、何とか続けさせて頂いている。10月3日も多くの方に遊びに来て頂き、熱い夜を彩り過ごすことが出来て感謝します。 クラブやDJ、パーティーに関する言説には”Don’t think, feel”とブルース・リー的に距離を置いてきたつもりだが、このAIRでのgroundrhythmを隔月… Read More

黒潮

久々のアルバム制作終了の目処、と共に夏が終わり、ほうけているうちに早ひと月。遅ればせながら私の夏の総括ということで、今夏最も印象深かった潮流について記します。 かなり今更ながら奄美皆既日食音楽祭、今ではのりピーもそこに居た、というくらいにしか人々の記憶にとどまっていないかもしれないが、皆既日食の前夜、いわゆるレイヴ・カルチャーの日本的原風景とでも言うべき圧倒的な光景が現出していた。 メンバー総勢180名近くで行われた、ゆったりとした島踊り、八月踊りの後に「奄美いっちゃりょん会」によって演奏された六調(奄美諸島の舞曲)にあらゆる世代・人種が巻き込まれぐるぐる踊っている。このbpmでノンストップ… Read More